テーマ:文学

LAは中国語で羅聖。韓国語で発音するとナソン。コリアンはロスをそう呼ぶ。

中編小説二編(「羅聖の空」「燃える草家」)が収められている。この京都出身の在日作家のものを読むのは初めてで、最初の数頁はその文体に乗れなくてギクシャクしたが、行間に臭いが感じられるほど肉体的で、同時に、極めて詩的な資質を持つひとだなと思った。いきなり作家を論じるのはおかしいかもしれないが、このふたつの作品は、この作家の<立ち位置…
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軍次郎叔父さんの恋人 - Brenda Wong AokiとMark Izu

彼らの子息であるKKのダンスもヒップホップしていてよかった。金曜日の夜、国際文化会館での公演は、短縮版だったものの、スクリプトの配布や日本語での解説もあり、わかりやすかった。僕はビデオで既に見ている。だからこの途方もない人種差別と排外主義の実話を知っていたが、当日初めて知った観客はさぞ驚いただろう。在米経験のある俳優、高橋りりす…
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ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ詩集 - 原成吉訳編 (思潮社)

本屋で見つけたのは思潮社の訳詩集シリーズで出ているウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩集。こっちにはいまさら英語の詩と格闘する時間も力も教養もないので、専門家による訳詩集はありがたい。ただ、正確さを重視した訳はいいのだけれど、正確に訳せば訳詩も詩になるかというと、そうもいかないのが厄介だ。といって、僕はこの訳詩集に文句があるの…
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Stephen Sumida教授がNo-No Boyを読み解く

アジア系アメリカ文学研究会(AALA)の年次フォーラムはこの間の土日だったが、特別ゲストのStephen H. Sumida先生による講演が印象的だった。フォーラム全体の密度が濃くて、それがあまりに濃すぎてまとめられないのが事実なのだ。テーマが「21世紀から見る日系人収容所」であり、それは9/11以降の世界から日系人強制収容所を…
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『和菓子屋の息子』 東京の下町とはなんだったのか? 

ブログ主は若い頃から小林信彦並びに中原弓彦(小林信彦が映画や演芸や舞台や音楽の評論を書くときの筆名。いつの頃からか使われなくなった)のファンであった。抱腹絶倒のオヨヨものや「唐獅子株式会社」、戦争ものの長編は勿論、定評のある演芸評論(落語、漫才、喜劇)や映画関係のエッセイをむさぼるように読んだ覚えがある。週刊誌に連載されている「人生…
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「収容所ノート」ミツエ・ヤマダ : 二倍の忠誠・200%のアメリカ人

かつて一度 外国人登録申請を 締切前に出してみた 番号をつけられ指紋をとられ 許可なしの 旅行を禁じられた。 しかし外国人なのにやはり 私は天皇への忠誠の放棄を求められた。 私にはたやすいことだった 天皇の顔さえ知らなかった でも母ははっきりとこう言った     私が署名すれば     私は自分で…
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現代詩文庫の『続・渡辺武信詩集』(思潮社)

ぼくはきみのまなざしの中に 過ぎゆく日々の光を読み きみのしぐさの中に 訪れようとする夜々の軌跡を読む くちづけの味を忘れぬ舌の上で 昨夜のサラダやサラミが 食べようとする笹身やわさびと出会い 今宵 重ねたスコッチの香りが 酔いざめの水の甘さとまじり合う 「時の鐘」より (『過ぎゆく日々』所収) 渡辺武信…
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The Beat Poetry ビート詩集 片桐ユズル編 1962

何故かは知らないが、若いひとの間でビートニクスが静かなブームらしい。不思議なことに、数年毎にビートニクスやらビート詩のことが雑誌などで特集される。ところが、英米文学のセンモンカのなかではビート詩など二級品だそうだ。ビート詩人ではないが、ビートニクスに大きな影響を与えたケネス・レクスロス(以前の書き込みを参照)ですら評価は…
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米日の和解 - 絵本 "Dear Ichiro"

いくらなんでも打たれすぎの松坂や調子の上がらない松井秀を尻目に、淡々と安打を重ねるイチローの凄さを感じるこの頃である。(岡島の活躍は、かつての佐々木を彷彿とさせるが)ブログ主はイチローのメジャーデビュー頃から米国メディアをウォッチしてきたが、当初はセンセイショナルに書かれたバッティングや走塁、守備も、この頃は「イチローならあれく…
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Buddhist Way of Life 英語のほうがわかりやすいということ

キリスト教会音楽の後に仏教的生き方の話題は無節操かもしれないが、これはCultural Newsに載っていた広告で、ケーブルテレビで放映されているそうだ。英語での仏教番組は米国でもこれが初めてと聞いた。僕にとって、家が檀家になっている仏教・・っていうのも変だけど、とにかく、仏教は、宗教というより習俗であり習慣で、法事か誰かが亡く…
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永井荷風『あめりか物語』の再発見

大げさなタイトルになったが、『あめりか物語』は荷風の海外滞在ものとして広く読まれているし、日系移民文学に詳しい京都教育大学の日比嘉高先生はご自分のサイトにこう書かれている。 <『あめりか物語』は、〈在米日本人〉による日系移民表象であるという点において、まぎれもなく「日系移民の日本語文学」であり、日系アメリカ人一世とそのコミ…
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水の如くあれ! - 少年時代のブルース・リー

アジア系アメリカのブログの筈が、日系アメリカの話題ばかりになっているからというわけでもないが、Ken Mochizuki & Dom Leeのアジア系アメリカ絵本の最強コンビが出した最新の作品を紹介しよう。今回のテーマは若き日のブルース・リーだ。 この絵本では、香港時代のブルース・リーの姿が、ドム・リーお得意のセピア色のタ…
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テキサス無宿 - 谷譲次のめりけんじゃっぷシリーズ

正月休みに何を読むか。そりゃあ、ジョウジ・テネィの「めりけんじゃっぷ」に限る。単なる紀行文学ではない。洒落たエッセイでもない。アメリカ見聞記でもない。谷譲次がめりけんじゃっぷとしてアメリカを放浪した4年間のエッセンスがここにある。これが本当なのかどうなのかは疑問であるが、そんなこたぁともかく、虚実の間に見え隠れする「めりけん」と…
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マキシン・ホン・キングストンを聴いたことがありますか?

ジャズをちょっとお休みにして今回は朗読である。アジア系アメリカ文学を切り開いた中国系の女性作家Maxine Hong Kingstonの作品はアジア系アメリカ文学の読者だけでなく、英米文学研究者のベーシック・リーディングになっている。1976年のデビュー作で、即問題作となった"The Woman Warrior"邦訳『チャイナタ…
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「語らないことでしか語れない」ことについて

或る大学院生の発表を聞く機会があった。最近のことだ。わたしゃ、途中から怒ってしまい、怒りがまだ尾を引いている。その院生は戦前~戦中に日本に存在した或る二世教育機関について話したのだが、基礎的なデータを知らなかった。先行研究があるのにも拘わらず、先行研究と自分の視点の違いも述べなかった。その教育機関(そもそも教育機関ではなかったという…
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帰米二世と南加文芸

松江久志さんが新作品集:10年毎の作品集第1弾、1400首を収録:ロサンゼルス在住の歌人、松江久志さんがこのほど、新たな作品集「昨 日・今日・明日」を発刊した。19990年から99年までの10年間の 作品の中から約1400首を選んで年代毎にまとめたもので、松江さんに はこれまでに「望洋」(60年)、「松江久志歌花暦」(82年)、…
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雑誌「思想の科学」-海外日本人の想像力- 1987年9月号より

雑誌に載っている中山容さんの文章を貼り付けた。IJAL NEWSと同じく書かれた時期は古い。しかし、こうして読み返してみると、問題意識としてはまったく古くない。このエッセイで問いかけられていることは21世紀の現在でも解決していない。なお、同号には容さんによる二世作家ヒサエ・ヤマモトへのインタビューなども収められている。ヒサエ・ヤ…
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The Samurai's Garden by Gail Tsukiyama (1994)

実はまだ読んでいない。(^^;)友達が貸してくれたゲイル・ツキヤマの小説だ。日本語や日本文化がいっぱい出てくるらしいが、ハリウッド映画でのオリエンタル趣味でもないという。<サムライ=日本人>というのは明かな誤謬だが、私たち日本人が「真の侍」や武士道に憧れるように、西洋文明と文化に疲弊した人々が、極東の島国が創造したストイックな集団とその…
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IJAL NEWS 日系アメリカ文学研究所の頃

今まで紹介してこなかったが、この日系アメリカ文学研究所は京都精華大学教授の中山容さんとブログ主がふたりで組織(ふたりで「研究所」というのも凄いが(笑))していた。このようなニューズレター(IJAL NEWS)を年に数回発行し、無料で発送していた。コピー代とか送料はふたりで出し合っていたように思う。様々な情報をコラージュのように組み合わせ…
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どこにも属さないという位置 - 『二重国籍者』第1部を読む

あべよしお著『二重国籍者』については以前にも触れた。はっきり言って、これは、その内容が背負うものの特異性と重要性のため、書評の難儀な小説である。また、手元にあるのは「カリフォルニア産」という副題の付いた第一部だけで、二部と三部で完結する小説を一部だけで説明はできないのである。しかし、この作品の持つとてつもない「重さ」もしくは「引力」(G…
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"Legends & Legacies" Wong with Lawson Fusao Inada

 日系三世の詩人でアジア系アメリカ文学の大御所Lawson Fusao Inadaの朗読音源が、この度、正規のCDとしてAsian Improv Recordsよりリリースされた。タイトルはLegends & Legacies。  Francis Wong名義になっているが、実質的には、フランシスが率いるアジア系バンドとイナダとの…
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