ポートアイランドの平田王子

画像


某月某日。神戸の某所での某学会で、平田王子さんのコンサートを企画し司会までやらせていただいた。結果から言うと、想像以上の好評を賜り、公演後は絶賛の嵐。更に、平田さんが持参したCDが一枚残らず完売し、嬉しい悲鳴とはこのことであった。「想像以上」と書いたが、実は、昨日の夜を目標に、平田さんと私との間で準備は淡々と進んでいて、個人的には「これはいけそう!」と手応えを感じていた。準備といっても、メールの交換の他は、7月の暑い夜に東京の某所でインタビューを試み、朝まで飲んだというだけなのだが、平田さんの自己史をメモしながら、音楽に対する彼女のしっかりとした姿勢に強い印象を受けた。だから、「うん、9月は大丈夫や!」と関西弁で確信していたのだ。なお、平田さんと渋谷毅さんとのデュオは何度も見ているが、ソロでのパフォーマンスを見たのはこれが初めてであった。(東京某所でのドラムス+フルートとのトリオも絶妙だったが、3人を神戸まで招聘するのは難しかった)

神戸に戻ろう。60人前後の観客のほとんどは平田さんの名前すら知らない。しかし、「聖橋」が終わり、二曲目の「沈丁花」がやわらかい日本語で始まると、既に平田王子はその場の空気を掴んでいた。途中、私のさしむけた質問に明確にNO!と述べた(トホホのホ)後の、平田さんによる「私にとっての音楽」についての語りには実に説得力があった。また、日本語とポルトガル語との語感や発音、リズム(日本語はペタペタしている、等々)の違いについて、また、同じ曲でも日本語とポルトガル語により、コード進行はそのままで、メロディーだけを変えていることなど、私も気がついていなかった創作の秘密が明かされ、司会をしながら興奮してしまった。

とにかく、平田王子さんは素晴らしい。歌も曲も、ハワイアンも、イパネマも素敵だ。司会者の好みもあり、スローなオリジナル曲に片寄ってしまったけれど、彼女の歌には余韻が残るし、歌の解釈に深みがある。過不足のないガットギターの演奏と、かすかにリバーブを効かせたフェアリー・ボイスが溶け合い、決して音響がよくないホテルの宴会場が小ホールにかわった。

学会での講演のため、遠くブラジルから来日されたパライバ大学のゼリア・ボラ教授は、「平田さんのポルトガル語は完璧。信じられない。発音に不自然さがまったくないし、曲も歌詞も素晴らしい」と眼を輝かしながら話してくれたが、私は「ボサノバの本場」のブラジル人に認められたから嬉しいのではなく、その場に集われた昨夜まで平田王子のことをなにも知らなかった皆さんから、翌日(つまり今日だ)も、平田さんを絶賛する言葉をかけられたことがいちばん嬉しいし、要するに、僅か6曲とはいえ、平田王子さんが、私たちに「至福の時」を与えてくれたことが嬉しいのだ。平田さんを推薦し、取り持った者として、ブログの場で心からお礼を述べたい。平田さんに、そして楽しんでくれた参加者のひとりひとりに。もちろん、平田王子を教えてくれた渋谷さんにも・・

独白:これで、司会者さえもう少ししっかりしていれば・・という悔いは残る。平田さんが気にしていたことについて、ライブの中で質問ができればよかったのに、ああ、なんで気がつかへんねん!(いつものことじゃわい!)。相変わらず鈍~いブログ主である。やれやれ。

明日の夜は神戸ビッグアップルで渋谷毅with平田王子のライブがある。

"ポートアイランドの平田王子" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント