企画展:世界の民族楽器 - 天理参考館で楽器に囲まれる 

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日曜日に天理大学の参考館に行ってきた。目当ては民族楽器の展示会。民族楽器とは「特定の民族によって演奏される楽器」のことだとパンフレットに書いてある。続けて、「特定の民族との関係が希薄で多くの社会で演奏される楽器は、一般に西洋楽器と呼ばれ」るとある。楽器と音楽が西洋文化と文明により洗練され、譜面が発明され、普遍化してきたことは確かだが、民族楽器や民族音楽は、普遍化ではなく、「場」や「儀式」や「ハレ」の場面で重用されることで生き延びてきた。機能的には西洋楽器にはかなわないけれども、その民族の生活や習慣や習俗や宗教に結びついた音楽を奏でる楽器として、伝統楽器を見直すのがこの催しの目的だと思う。

この展示会では、見たこともない珍しい楽器に出会う驚きより、世界各地の全く別の民族の楽器が、実は非常によく似ているという、そういう共通性のほうに惹かれた。まぁ、楽器も植物と同じく、原産地のような場所があり、そこから様々なルートで伝搬し、その間に改良されたりするので、似通っていてもおかしくない。また、「音を出す」というのが楽器の楽器たる機能なのだから、楽器Aと楽器Bに共通項があって当然だ。

天理大学附属天理参考館でのこの催しでは、似ているようでどこか違うと同時に、違っているようで実は似ているような-ややこしいが-楽器が展示室を埋めているので、まるで民族楽器の小宇宙に迷い込んだような不思議な気分になる。11月末まで開催されているので、お好きな方は足を運んでみられてはどうだろう。

個別の楽器について書いていては夜が明けてしまいそうなので、印象に残ったものを記すと、まず、口琴。アイヌのが知られているが、東アジアから東南アジア、欧州まであるとは知らなかった。これほどシンプルな楽器もないと思うが、実は繊細で、すべての楽器の源流みたいな趣がある。弁の振動を口の中で共鳴させて音を出すので音量は小さいが、静かな環境で楽しむには最適だろう。

あと、眼にとまった楽器は、狩猟のための道具から楽器になったという説もあるアフリカの楽弓。アフリカというとつい打楽器を思い出すが、アフリカの弦鳴楽器を見たのは初めてだった。箏みたいなのや竪琴みたいなの、リュートみたいなのまであり、形状もユニーク。視覚的にも楽しめた。

そう、楽器は演奏するためにあるのだが、楽器を見るのも音楽愛好者にとっての密かな楽しみなのである。



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