The King's Speech Movie Trailer Official (HD)



予備知識なしで見てきました。映画「英国王のスピーチ」。上の予告編だけでは、なにやら奇妙な方法で治療している言語治療士と国王のハナシと思い込んでしまうかもしれませんが、決してそうではありません。ジョークで何度も笑ったものの、正攻法の映画ですし、そんな昔の出来事でもないし、なんせ、対象は英国の王室です。今のエリザベス女王を描いた作品もあるくらいですから、そのお父上が映画になっても不思議はないものの、この作品のテーマは国王の吃音です。よく映画にできたなぁ、と思います。

英国の映画らしく、脚本も練り上げられており、舞台劇のようなシーンもいっぱいあります。言語治療士と国王(国王になる前から治療を受けているのですが)がふたりきりで延々とダイアローグを続ける場面など、火花が散っていて、どきどきしました。言語治療士のキャラクターも面白い。でも、詳しくは映画を見て下さい。

上映中の映画なので、筋は書きません。そのかわり、興味をひかれた部分を書きます。

それは、英国人(要するにイングランド人か)からオーストラリア人へ投げかけられる強い差別意識です。オーストラリアは、イングランドから移民した人の比率が高いのですが、アイルランドやスコットランドなども結構います。そして、現在は、これら以外の欧州圏やアジアからの移民も多いオーストラリアの方針が多民族多文化社会なのは承知の通りです。但し、この映画の時代のオーストラリアは「白人の国」だったといって間違いないでしょう。白豪主義というやつですね。確か学校でそう習った記憶があります。

ブログ主のオーストラリア理解は極めて浅いので、間違いがあれば教えていただきたいのですが、英国人から見ると、オーストラリアなんていう遠い未開の地に金(きん)を求めて移住する奴らやその子孫なんてのは偉大な大英帝国の面汚しだ、という感じではなかったのでしょうか。もっとひどい言い方をすれば、流刑の地、とか。

また、英語の発音も違う。英国の上流階級が使う英語とオージーの英語は違うわけですが、この差異は、階級社会の頂点にいる王室関係者にとって、差別するのに十分な理由になったのでしょう。ただ、私はこのあたりの歴史的社会的文化的背景には明るくないので、これ以上は述べないでおきます。

差別感情といえば、王位を賭けた恋?で知られる、主人公の実兄エドワード8世と結婚するアメリカ人女性への蔑視も凄いものがありますが、こっちはわかる気がするのですよ。アメリカ合衆国は英国と戦争をして独立した国ですから。しかし、幸か不幸か、オーストラリアもニュージーランドも、独立戦争をしていない。だから、国旗の一部にはユニオンジャックがあしらわれています。イギリス連邦の一員ですし、正式な国名はコモンウェルス・オブ・オーストラリアです。Commonwealthという言葉が付いているのは、そこが、もともとは大英帝国の植民地だったという証しでもあります。

そうそう。オーストラリアから来た言語治療士役を見事に演じているジェフリー・ラッシュはオーストラリアの俳優なんですね。これほどの適役はない。なんせ、「シャイン」や「カリブの海賊」に出てた名優です。主人公をやったコリン・ファースがオスカーを受賞するという予想もありますが、コリン・ファースの演技を引き出したのはジェフリー・ラッシュだと思いました。女優陣も巧いし、「ライムライト」でチャップリンと共演したクレア・ブルームまで見ることができるなんて、粋な配役です。ハリーポッターの校長先生も・・あ、このへんで置きましょう。ネタばれになりそう。

蛇足ながら、このブログに無理やり関係づけるとすると、移民を送り出した国が、移民とその末裔を差別するというのは、どこにでも起きていることではあります。が、しかし、こんな曖昧な印象だけでは英国にもオーストラリアにも失礼なので、これくらいにします・・。

この記事へのコメント

ETC英会話
2011年02月27日 23:19
スコットランド英語を調べていて、こちらに辿り着きました。イギリスの歴史や文化を学んでいる中、「英国王のスピーチ」はとても気になっていた映画でした。イギリスの人々の価値観や考え方に触れられそうですね。ぜひ、観て見たいと思います。ブログ紹介有難うございます。(^-^)/
etchan
2011年02月28日 00:10
"My Fair Bertie"・・・って何処かのフリーペーパーに紹介されてました。コリン様主演となれば、尚更見逃せないので今週行ってきますw
etchan
2011年03月06日 02:25
先週中に見てきました。館内が老若男女でごったがえしており、受賞前にネット予約していたのは正解でした。
個人的にはコリン様ももちろん素敵だったのですがw、傷ついた者の再生物語に、はからずも再び立ち会う事となったクレア・ブルームの、凛とした美しい佇まいに目が釘付け。
ジェフリー・ラッシュの、作品によって見せる(魅せる)キャラクターが全く異なる、その変幻自在ぶりには腰がぬけそうですな。

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