鴨川デルタじゃなくて出町の三角州 - 鴨川ホルモーの怪

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これはズルい。京都で学生時代を過ごした読者なら泣いて喜ぶ小説だから。書名は知っていたけれど、奈良公園の鹿が喋るドラマくらいしか著者のことは知らなかった。先日、大学の後輩から「あれ、おもろいでっせ」と勧められ(彼は西宮出身の関西人)て文庫を買い求め、鞄に放り込んだ。

仕事から仕事への電車の中で読み出したら止まらなくなった。まるでスナック菓子のような中毒性を持つ、阿呆らしくもみずみずしいストーリー展開と微細な描写力、そして、その反対の、京都の歴史についての著者の知識の深さと正確さが小説に不思議なリアリティを与えている。しかし、これは抱腹絶倒のファンタジーであり、涙なしには読めない青春小説である。

そうそう。ちょうど、NHK-BSで映画『陰陽師』を放映していたのも良いタイミングであった。安倍晴明ゆかりのお寺は、うちから車ですぐの距離にある。(笑)こう書いても読んでいない皆さんにはなんのことやらさっぱりわからないだろうが、粗筋を書くのもバカバカしい作品なので(笑)、この物語が、陰陽五行説や陰陽道に基づいていることと、キーワードが【鬼】であることだけを記しておきたい。

なお、著者は1976年生まれなので、僕とは世代が違う。「鴨川デルタ」は、僕らが「出町の三角州」と呼んでいた場所で、合唱団や応援団がよく練習をしていた。僕の先輩が役者をしていた劇団が芝居をしたこともあった。今から思えばよく使用許可が取れたと思う。

京阪電車の出町柳駅の近くに、頑固なお爺さん自らコーヒーを入れる喫茶店があった。あのカミ家コーヒー店はまだあるのだろうか。あそこで、香り高いコーヒーと、ちょい高い手作りのショートケーキを食べるのが楽しみであった。

そんなことが次から次へと思い出される、やはり、これは、ズルい作品だ。(笑)

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この記事へのコメント

etchan
2010年10月23日 23:35
もしかして、飛び石のある辺りですか?
京都で生活した事は残念ながらありませんが、糺の森が一番好きです。時が一瞬止まり、浮世のごたごたを忘れられる、素敵パワースポット。のらくろのトルコライスが食べたくなってきました。
2010年10月24日 08:05
>etchan

そうです。昔は飛び石はなくて、濡れながら歩いて渡ったもんです。

糺の森は、市街地にあるのに、「森」なんですね。この小説は、まさに、糺の森みたいな霊的な場所で開催される或る戦いの話なのです。阿呆らしいんですけど。(笑)

個人的には、糺の森で見た状況劇場が印象に残ります。唐十郎、李麗仙、根津甚八、小林薫が同じ舞台に居ましたです。(笑)
etchan
2010年10月24日 23:57
・・・どんな状況かもはや分からんくらい、濃ゆい演者ですなw

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