待望の邦訳 - ヒサエ・ヤマモトを探訪する

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ヒサエ・ヤマモトのSeventeen Syllablesを容さんの研究室で見かけたのは70年代末か80年代の初めで、その頃に読んだ記憶はあるものの、大きな衝撃を受けたかというと、そうでもなかった。文学に疎い超未熟者の学生には荷が重すぎたのかもしれない。ところが、後にヒサエ・ヤマモトの作品研究が進み、いろんな研究者の発表や論文を眼にして、あらためて、彼女こそが日系二世文学のキー・パーソンだと思うようになった。

二世には何人かの優れた作家がいるが、ヒサエ・ヤマモトの世界は、内に深いだけでなく、外に向かうベクトルを持っている。日系アメリカ人の書く小説に私小説的なイメージを持たれる方もいるかもしれない。ヒサエ・ヤマモトの場合も、彼女自身の体験と作品を切り離すことはできない。しかし、読まれればわかると思うが、身辺雑記にストーリーをつけたような安易な作品は一編もない。

ヒサエ・ヤマモトの長期に渡る執筆活動の中で生まれた作品群が、山本岩夫・桧原美恵という最適の翻訳者によって日本語になった=英語で書かれた日系アメリカ人の作品が日本語になること自体が含むアイロニーを含め=ことを大きく喜びたい。大きく喜ぶ、なんて日本語はオカシイが、そんな気持ちなのだからそう書く。

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この記事へのコメント

etchan
2008年12月14日 01:21
思わず「ササガワラさん」を読みたくなってしまいました。
あのズキンとくる胸の痛みを、この邦訳でも感じることができるかしら・・・。

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