恐るべし、宝塚歌劇! 記号の過剰か過剰の記号か

画像


グラン・ステージ
『エル・アルコン―鷹―』
~青池保子原作「エル・アルコン―鷹―」「七つの海七つの空」より~
原作:青池保子(プリンセス・コミックス)
脚本・演出/齋藤吉正

なにを血迷ったかと思われるだろうが、理由(わけ)あって平日の昼に宝塚大劇場である。月曜日。信じようと信じまいと、仕事関係の親睦会が宝塚歌劇の観劇なのだ。どこの会社だ、こんな企画を考えたのは?(私ではない。念のため)

おそらく二十数年ぶりに観た宝塚歌劇は、ダンスも歌唱も非常に進んでいた。こんなことを言うとファンから石が飛んできそうだが、昔はもっと下手だったと思う。勿論、台詞廻しの臭さは宝塚だったが、舞台はそれを覆い隠す過剰な記号に溢れていた。とにかく、すべてが過剰なのだ。美しさも愛も恋も裏切りも信頼も栄光も挫折も。化粧も衣装も。

だいたいだ、出し物の原作が青池保子ですぜ。(笑)学生時代に少女マンガにはまったオッサンは、青池保子という名前を聞いただけで悶絶しそうになる。青池保子のマンガ自体が過剰であり、それを原作にしてできたミュージカルが更に過剰になるのは目に見えているのだ。

まず、場面転換が多すぎる。これが過剰。脚本が冗長。これも過剰。衣装が変わりすぎる。これも過剰。上演時間が長い。これも過剰。舞台が回転し、せり上がり、せり下がり、オーケストラ・ピットの手前や舞台の両端でわざわざ演じられる芝居がまた過剰なのだが、でも、これらの過剰こそが宝塚歌劇の本質なんだと思う。

リアリティーなどどこ吹く風と、主役の安蘭けい(←歌がうまかった。さすが星組トップ)が過剰に演じる海軍大佐は、スペインやらイギリスやら七つの海やら野心やらをやたら語るのだが、将軍の小娘を誘惑したり、女性だけの海賊団の頭目をものにしたりで、実際、こいつは、権謀術数を駆使するかなり悪い奴なのである。友達にはしたくない。(笑)しかし、宝塚歌劇では、主役にまつわるすべてがロマンと化すのである。

そして、不可思議なことに、また観てみたいという不思議な感じがなきにしもあらず。(笑)

お、恐るべし、宝塚歌劇!

追記:平日昼間の公演にも拘わらず大劇場は満席状態。これは凄い。




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

KISHIKO
2007年11月29日 12:52
asian様は、守備範囲が広いですね!
落語同様、宝塚歌劇は、名古屋にあまり浸透しないアイテムですね。スター、一路真輝を輩出しているのにも関わらず…私も一度も見たことがありません。
どうなんでしょうネ、西川家の名古屋おどりは定着しているとはいえ(これは観ました)
美しく洗練された舞台にも関わらず、全体に地味な印象を受けるのは何なのでしょうネ。

合理性を重んじる名古屋気質には、落語のような「意味のない…失礼、遊びの文化」や、宝塚歌劇のような、過剰なものが受け入れにくいのでは…と感じる毎日です。
名古屋ブルーノートも苦戦していますしネ 

名古屋駅も栄も、全国的にも、かなりハイクオリティなのに、印象は地味なのは何故かしら。

・・・・・
やっぱり、関西は脈々と受け継がれた、桃山・南蛮文化がいまでもしっかり染付いているのでしょうね。ロココ・バロックでしょうか。

でもね、名古屋は 実は戦前にいちはやくシュールレアリズムが登場したところなのですよ!

ロココ・バロックではなく、シュールですよ!
etchan
2007年11月30日 02:01
ほぇぇ、おっちゃん少女漫画フェチだったんかいなっww
ちなみにあたいは少年漫画フェチ(正確には約20年前の少年サンデーフェチ。うる星とかタッチとかw)でございました。

な事はさておき、一路真輝がなごやんだとは知らなんだ~。逆に何故彼女が宝塚に興味を持ったのか、知りたい感じですな。
踊りつながりで今ふと思い出したのが、「な~ご~やば~やしでよっさよさ~♪」という、盆踊り。踊り方も半分忘れ、今となってはちょいと謎です・・w
(森ミドリの後輩etchanでしたw)
2007年11月30日 20:57
「○○フェチ」とかいう言い方はなかったなぁ、昔は。フェチという表現は好きではないぞ。「少女マンガフェチ」ではなく、少女マンガを前向きに読んだ時期があった、というのが正しい。もっと正確に言うと、性別を越えてうったえてくるマンガがたまたま「少女マンガ」というジャンルだった、ということです。フェチは嫌だけど、元になった「フェティシズム」には興味があります。余計か。(笑)
etchan
2007年12月03日 00:45

おっちゃん、そっちのが怖いってば。
よろしかったら今の派遣先のユニフォーム、お貸ししましょか?(mixi参照)←コラ
2007年12月03日 21:59
お、おっちゃんはヘンタイとちゃうで!(-_-)

元になった「フェティシズム」ってのは、「物心崇拝」のこと。これはマルクスのいう「物象化」にも関係してくるのだ。

下着フェチとかフィギュアとかコスプレとかそーいうもんではない・・と否定しておこう。

この記事へのトラックバック

  • フェラガモ 店舗

    Excerpt: 恐るべし、宝塚歌劇! 記号の過剰か過剰の記号か asianimprovのアジア系アメリカ雑記帖/ウェブリブログ Weblog: フェラガモ 店舗 racked: 2013-07-03 05:08