Miyoshi Umeki Sings American Songs in Japanese

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ミヨシ梅木とは、周知のように、ナンシー梅木のことだ。これは梅木が1956年に米国のマーキュリー・レーベルから出した堂々たるポピュラー曲集である。すべての曲に日本語の歌詞をつけているのではなく、英語と交互に歌われたり、英語の歌詞の途中に日本語の科白が入ったりする。しかし、奇妙なエキゾチズムは感じられない。正攻法の歌唱である。そして、巧い。美空ひばりに匹敵する歌手だったというひともいるが、ブログ主も激しく同感である。

1. イフ・アイ・ギヴ・マイ・ハート・トゥ・ユー
2. チャイナ・ナイト(支那の夜)
3. アイム・イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ
4. マイ・ベイビーズ・カミンン・ホーム
5. ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
6. スローリー・ゴー・アウト・オブ・ユア・マインド
7. ティーチ・ミー・トゥナイト
8. ハナ・コ・サン
9. キャント・ヘルプ・ラヴィン・ダット・マン
10. スワンダフル
11. オーヴァー・ザ・レインボウ
12. サヨナラ
13. サヨナラ(「サヨナラ」主題歌)
14. ザ・リトル・ロスト・ドッグ

「周知のように」と書いたが、先日のアカデミー賞助演女優賞騒ぎで、テレビのキャスターやらレポーターやらが連呼していたのが「ナンシー梅木」という名であった。そして、喜々としてテレビに出ている彼ら彼女らは、ナンシー梅木が誰なのかを知らないし知ろうともしない。あのひとたちの馬鹿面を見る度に、「ゴシップを追いかけて何が<芸能レポーター>だ。おまえらは<芸能人の小判鮫>じゃないか」と情けなくなってしまうのだが、僕が怒ってもどうなるものでもないのでやめる。

とにかく、ナンシー梅木は、決して「周知のよう」な存在ではなかったのである。なんせ、この録音も半世紀前のものだ。ブログ主も、梅木の歌声にちゃんと接したのは、ここ数年で復刻CDが数枚リリースされてからで、偉そうなことはいえない。

現在も米国でご健在にも拘わらず、メディアの取材に応じておられないのは残念ではあるが、しかし、ナンシー梅木は、こんなにも素敵な歌声を残してくれた。

それで充分ではないか。

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この記事へのコメント

chi-B
2007年03月14日 02:12
OH!ナンシー梅木さんの登場ですか。つい数ヶ月前に、ふと思い出したこのレコード(CD)が欲しくて、買えなくて、ずっと眺めては短いサンプル音を試聴していました。いつか遠い昔に偶然、アメリカのテレビで(授賞式だったのかわかりません)「サヨナラ」を歌う映像を少し見て以来、この歌とあの丁寧な綺麗な声に心奪われた私です。映画のバージョンの方だったのかな?曲のアレンジが少し違いましたよね?「サヨナラ~」の繊細な第一声があまりにも印象的な切ない歌で、いつか覚えて歌ってみたいと、密かに憬れていました。ここでいつか紹介されると信じて待ってました^^。
2007年03月16日 22:38
「サヨナラ」という曲は数種類あって、このアルバムでは、ボーナストラックで映画の主題歌のほうを歌っています。別の「サヨナラ」は細野晴臣が『泰安洋行』でカバーしたほうの曲で、全然違うものです。

ナンシー梅木を日系人と思っているひとがいますが、実は道産子なんですよね。うたのセンスと勘が素晴らしいし、発音も二世歌手に負けていない。大衆音楽としてのジャズ(洋楽)が盛んだった時代が生んだ歌手だなあと思います。インテリの玩具に成り下がった後、日本からはろくなジャズ歌手が出ていないのが象徴的です。

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