『硫黄島からの手紙』に出ていた在米日本人俳優(追加写真あり)

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ご心配かけてすみません。熱はほぼ引きました。外は強風で、今日はおとなしくしないといけないですね。ひどい天気です。台風みたいだ。家のありがたさを感じます。それで、どうしようかなと思っていたら、トリビアな情報がLAの東君から届きました。映画『硫黄島からの手紙』に出演した在米の日本人俳優(LA在住)のプロフィールです。なお、ブログ主は既にこの映画を見ています。こんなものをクリント・イーストウッドに撮られていては、好調だと言われる日本映画もたいしたことはないなと感じました。奇妙な部分も散見されましたが、それがこの作品の評価を落とすことはありません。戦場の再現フィルムではないのですから。

ほとんどのシーンがカリフォルニア州南部で撮影されたので、主役級の数人を除き、日本人俳優は現地で集められました。だから、見たことのない顔が結構重要な役で出てきます。科白や演技のレベルはともかく、演じた側の在米の日本人俳優たちにとっても、この映画への出演は大きな意味を持ったようです。

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映画「硫黄島からの手紙」で活躍したロサンゼルス在住の俳優たち

映画「硫黄島からの手紙」が日米で多くの観客を集めている。この映画では主役の栗林忠道陸軍中将に「ラスト・サムライ」「メモワール・オブ・ゲイシャ」(邦題さゆり)でハリウッドに認知された渡辺謙が抜擢された。渡辺謙のほか、日本からは、二宮和也、伊原剛志、加藤亮、中村獅童、裕木奈江らの俳優が参加した。

「硫黄島からの手紙」は、もともとは映画監督クリント・イーストウッドの「父親たちの星条旗」を製作する話がもちあがったとき、日本軍の側から見た硫黄島作戦をDVD版として作り、「星条旗」のDVD発売の時に、付録として販売するという程度の構想だった。

それが、本格的な映画制作に発展した。しかし、最終的に決まった制作費は2000万ドル(約24億円)で、ハリウッド映画としては小規模作品となり、主だった役には日本で知名度のある俳優を起用したが、大半の俳優は、ロサンゼルスに住むアクターたちが採用された。

「硫黄島からの手紙」は、太平洋上の硫黄島での戦闘シーンが中心の映画であるが、実際の撮影は、ロサンゼルスとラスベガスの中間地点バストー近郊の砂漠の中の元銀鉱山(キャリコ)で行われ、海岸シーンは、ロサンゼルス近郊のマリブ海岸で、洞窟内のシーンは、ワーナーブラザー・スタジオで撮影された。実際に、硫黄島に行ってロケをしたのは、渡辺謙だけだった。

キャリコ近郊は、火山の跡地で、黒い溶石が取れる。この溶岩石を砕いて販売している会社があり、撮影セットを作ったときの硫黄島の黒い砂は、この会社から調達した。キャリコでの撮影は、2006年3から4月にかけて行われた。
 
映画「硫黄島からの手紙」に出演したロサンゼルス在住の役者は以下のとおり。

松崎悠希(まつざき・ゆうき)=野崎・陸軍一等兵役

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宮崎県宮崎県出身。25歳。児童向けの劇団で7歳から演技を始める。全国組織の子供演劇「LABO」は母親の運営で、子供向けコメディーに出演していた。18歳で日本をでるまで、11年間、「LABO」に所属していた。宮崎県立宮崎大宮高校普通科を卒業。神奈川県川崎市の「日本映画学校(Japan Academy of Moving Images)」俳優科に通う傍ら、3ヶ月ほど新聞奨学生として住んでいた。平均睡眠時間2時間のつらい体験をした。

2000年に18歳で、ニューヨークへ渡るも、すぐに、持ち金を全て盗まれホームレスになってしまう。しかし俳優になる夢を諦めきれず、路上で歌いながら生活する。B級アクション映画にキャストされたのをきっかけに、ロサンゼルスへ移り、2002年、映画「ラストサムライ」に官憲役で役をもらった。

松崎悠希は語る:

本当に良い経験をしました。そして色々な事を学びました。
文字に書かれた人物をどうすれば「現実」に持ってこれるのか。
血の通った人間として観客に伝える事が出来るのか。
それだけに全精力を費やしました。
役作りの為、撮影終了までの5週間、
殆ど何も食べなかったので30ポンド近く痩せました。
全ては「野崎」を生きた一人の人間にする為です。
彼がどのように生き、どのような思いを持って死んでいったのか、
それが観客に伝わればこれほど嬉しい事はありません。

「日本兵」は「日本人」であって、
生まれついて「日本兵」だったわけではありません。
彼らは一人一人に独立した人生、そして家族があったのです。
これまで無個性に描かれる事が多かった「日本兵」は、
この映画によって、無限の彩りを手に入れる事でしょう。
クリント監督、本当にありがとう!

戸田年治(とだ・としはる)=足立大佐役

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東京都杉並区阿佐ヶ谷出身、劇団四季に3年、ニューヨークで17年、ブロードウエー・ミュージカルをやっていた。ロサンゼルスに移って、15年、さまざまな映画、テレビドラマに出演。

映画「パールバーバー」では、日本軍の攻撃を目撃した日本人歯医者の役をやった。このシーンは脚本の段階で、日系人団体から、日本人がスパイとして描かれていると抗議があり、削られていた。しかし、大方の撮影が終わった段階で、取り入れることが決まり、あとで、撮影されたといういきさつがある。

戸田年治は語る:

役者として出演する映画はそれぞれ大事ですが、特にこの映画に関しては実際のできごとで、演じる役も実在の人物(足立大佐)なのでとても名誉に感じています。日本の歴史の一部を演じるという機会は少なく非常に幸運だと思います。また子供の頃に見ていたテレビ番組「ローハイド」で初めてみた、今は世界を代表する監督になった、クリント・イーストウッド氏の作品に出られたのは感激でした。

ブラック縁(ゆかり)=憲兵に言いがかりを付けられ、飼い犬を殺されてしまう、出征兵士の妻の役

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静岡県浜松市生まれ。3歳のときからステージに立ち、以来、女優、歌手、シンガー・ソングライターなど、さまざまなことをやる。多摩川大学演劇科を卒業。最近は、太鼓演奏も始め、グループTYTを結成、2006年11月のロサンゼルスのジャパン・エクスポで披露した。ロサンゼルス滞在、13年。ロサンゼルスで、演劇に多数出演。

渡辺広(わたなべ・ひろし)=栗林中将の副官を務めた藤田中尉役

*残念ながら、渡辺広さんのプロフィールと写真は、ご本人からの希望により、削除しました。なお、プロフィールに間違いや不備があったのではありません。(ブログ主)

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こういう大切な情報をくれた東君とCultural Newsに重ねて感謝です。実はこの映画に出てくる無名の俳優たちについては気になっていたのですが、公式のパンフレットにもなにも書かれていない。日本のメディア(一部を除いて)も調べていない。こういう記事を送ってくれるのはLAに根を張った東君ならではでしょう。このブログはアジア系アメリカに焦点を当てていますが、それは、短期長期に拘わらず、米国で生活をしているアジアの人間をも含みます。いや、むしろ、そういう人が増えているのが現実で、日系アメリカ人も、一世、二世、三世といった分類以外のひとたちがたくさんいます。混血も進んでいる。そういう意味で、上記の記事は、役者になる夢を抱えてアメリカに渡った日本人が、イーストウッドの映画への出演を通じて日本に「帰国」したような印象を持ちます。この映画は硫黄島で闘った司令官の映画であり、士官の映画であり、一兵卒の映画ですが、これらの役を演じた、今、この世界に生きている日本人(中国系の俳優もいたはずですが)の映画でもあります。それが、主役級の数人を除いて、在米の無名の日本人アクターたちによって演じられたことに不思議な感銘を受けています。

皆さんはどう思われますか?

追記:以上の記事は、LAのCultural News紙の編集発行人でCEOの東繁春さんがご自身で取材し書かれたものです。このことを知らず、不明確な説明をしたことを東さんにお詫び申し上げます。なお、東さんはブログ主の古い友人です。

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この記事へのコメント

sudoraku
2007年01月07日 11:24
 すばらしいですね。感動します。貴重な東氏の情報にも感謝。LAに行く機会があれば、一度お会いしたいと思っています。
 昨年12月20日付の静岡新聞が、ユカリ・ブラックの記事を載せていますが、日本のメディアで私が気づいたのはこれだけです。記事を貼り付けたかったのですが、500字を超えてだめなようです。何か方法があれば教えてください。
2007年01月07日 18:58
sudoraku様

その静岡新聞の記事はメールで送って下さい。トピックを作ってみます。

ユカリ・ブラックさんは「父親たちの星条旗」にも出ていた(東京ローズ役)そうですね。漢字で「縁」って書いてユカリと読ませるのが面白い。この他の在米の日本人俳優の皆さんも、挫折を経験していて、しかし、米国に住み続けてチャンスを待っているところが面白い。「面白い」なんて言うのは失礼ですね。(^^;)

東さんが取材したんじゃなくて、どこかの通信社か新聞が取材したのでしょうが、この映画は、在米の日本人にとっても思い出に残る作品になるのではと思います。
etchan
2007年01月07日 23:59
貴重な、そして稀有な情報を公開して下さり、有難うございました。
日本のメディアももう少し取り上げるべき事柄ですよね。アメリカなど海外で何かをしたいと思っている若者(じゃなくてもよいんですけど)にも、希望を与えますしね。

>生まれついて「日本兵」だったわけではありません。

・・・BRAVO!そしてアメリカ兵にも言えること。
2007年01月15日 18:01
自己コメントです。(笑)
ちょっとネットで調べたら、野崎一等兵に扮した松崎悠希さんは元ホームレス(笑)で、コメディアンでもあるそうです。彼の雰囲気も良かった。憲兵隊から来た兵隊(加瀬亮)を「スパイに違いない」と疑い、パン屋の西郷(二宮君)と意気投合する洋服屋のあの兵隊です。悲しい最後をむかえるのですが・・

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