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zoom RSS HOT AUGUST MORNING - 1945, 1977, and 2011

<<   作成日時 : 2011/08/10 20:03   >>

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YOKOHAMA, CALIFORNIAのHOT AUGUST MORNINGは次の一節から歌に入る。メロディーを歌う女性ボーカルはサム・タキモト。なお、リーダーのピーター・ホリコシ、マイケル・オカガキ、そしてサム・タキモトがYOKOHAMA, CALIFORNIAのオリジナル・メンバーで、LP録音時にロバート・キクチ―Yngojoとキース・イノウエが加わっている。LPではホリコシ―タキモトのラインの穏やかで内向的な楽曲と、フィリピン系と日系をルーツに持ち、多文化主義を打ち出すキクチによるリズミックな曲と歌唱が対照的で面白い。

HOT AUGUST MORNING

by Peter Horikoshi

Eight o’clock and the sun is out
The morning air’s hot today
And there is something I’d like to say
California summer time
Central Valley’s all sunshine
But still something feels so strange
It feels so strange


ホリコシの語りを引き継ぐかたちで「So strangeな感覚」が歌われる。

The early morning sun feels good
My color showing like it should
But I recall traces of the past
August 6th, 1945 Hiroshima’s so alive
But then it happened so very fast, the atomic blast.


早朝の太陽は気持ちよく、私の色(顔色?)も私らしい

だけど、私は過去の痕跡を思う

それは1945年8月6日のヒロシマに吹いた、とても、とても早く吹いた原子爆弾の爆風。

・・・と、ここで、「話したいなにか」が明らかになる。

(コーラス)
Blue sky for B-29s, that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?


アトミック・ブラストの"ブラスト"に重なるように、上の美しいコーラスがかぶさる

青い空にB-29、今日は飛んでこない
ヒロシマの暑い8月の朝
これ以上私になにが言えるだろう?

(コーラス)
Hiroshima, why did they burn you?
Hiroshima, when will they learn?
Hiroshima, I feel the pain in you
Hiroshima, was it in vain?


ヒロシマの痛みを癒そうとするかのような、3声か4声のヴォイシング。

「ヒロシマ」という言葉を歌に使うのは簡単ではない。しかし、YOKOHAMA, CALIFORNIAは、自分たちが出来る範囲でこの重い言葉をメロディーに乗せ、せいいっぱいのハモりを聴かせてくれる。

この素直さと初々しさ!

Check the sky for B-29s, that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?

Nagasaki, on August 9th.
Why did they do it a second time?
In Nagasaki as the war ended
They opened a wound that would never mend.


YOKOHAMA, CALIFORNIAはナガサキを歌う。

8月9日に、なぜ二回めを落としたのか、と。

もう、戦争は終わりかけていたというのに、なぜ、治らない傷口を開けるようなことをしたのか、と。

Check the sky for B-29s that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?


ここで、曲は、あっけなく終わる。この引き際も良い。いや、引き際、というより、これ以上続けようがなかった、というのがYOKOHAMA, CALIFORNIAの本音ではないのか。

実際、もし私に曲が書け、演奏して歌え、録音できるとしても、ヒロシマ・ナガサキをどのように曲にし、どう歌えるというのか。 What more can I say?

HOT AUGUST MORNINGはYOKOHAMA, CALIFORNIAが残したこのLPに収められた曲の中の白眉である。明確で強いメッセージを伝える曲ではない。どちらかというと曖昧で、最後まで「奇妙な感覚」が消えない曲だが、YOKOHAMA, CALIFORNIAのメンバーと同世代のブログ主は、彼らの感じた「奇妙な感覚」を共有できる。

「共有できる」なんてのは幻想かもしれない、が、なにか言いたいことがあるのに言いきれない、という「いらだたしさ」と、カリフォルニアの或る暑い8月の朝に、遠いヒロシマやナガサキが立ち現れる、という歌詞に、ブログ主は共感してしまう。共感させられてしまう。この気持ちには抗しようがない。(苦笑)

この共感は、YOKOHAMA, CALIFORNIAが日系三世のグループだという背景にも起因しているが、それだけでは説明できない。それを説明するには、この録音がなされた70年代後半という時代性やアジア系アメリカ運動について、配慮しなければならないけれど、今は、そんな理屈より、暑い8月の朝を感じたい。

暑い8月の朝(HOT AUGUST MORNNG)は

1945年のヒロシマにも

1977年のカリフォルニア州フレスノやリヴァーモアにも

2011年の日本にもおとずれている



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