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zoom RSS 二世行進曲 有松由子・板野雪人 メルカ管弦楽団

<<   作成日時 : 2011/05/14 10:24   >>

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何年か前にこのブログでも取り上げた曲。動画サイトで発見したので、紹介したい。とても貴重な音源。

「二世行進曲」は、戦前に渡米した古賀政男が日系市民協会からの依頼で作曲したもの。歌詞は一般公募されたそうだが、適当なものがなく、結局、古賀自身が書いた、という説明がなされている。

メルカ・レコードは当時にLAに存在した日系のレコード会社で、伴奏も歌手も在米の日系人だろう。

この曲に言及した書籍は数冊あるが、二世(但し日本寄りの)に会って感激した古賀政男が意気に感じて作曲したという説明も正しいだろうし、当時の日本政府が海外の日系二世を日本の味方として取り込むために米国に送られたのが古賀政男であった、という説にも説得力がある。古賀が渡米したのは1938年。「外務省の音楽文化親善使節」だったそうだ。レコードの発売は翌年の1939である。

本当のことは、わからない。

この勇壮なマーチで歌われる「期待される二世像」は、「移民の子弟」という枠組みの中で想像された「理想像」であり、「二世はこうあってほしい」という願望が強く感じられる。

「生みの親は日本」「育ての親はアメリカ」という、「正しいようで全然正しくないけれども日本人にはそれなりの説得力を持つ意味付け」が、意図的かそうでないかはともかく、試みられている。米国で生まれ、英語で生活していた多くの二世にとっては「生みの親」も「育ての親」も米国だったし、「日米の親善の使命に燃え」るのが二世の役割だという「日本政府に都合の良い論法」が現地でどこまで浸透したかは疑わしい。

真珠湾攻撃の二年前に録音販売されたにもかかわらず、現地では広く歌われた。しかし、くどいようだが、英語しか解さない、米国に忠誠を誓う立場の多くの二世たちは「二世行進曲」の歌詞に困惑しただろう。日本語の聞きとりが出来た二世も、この難解で情緒的な歌詞が理解できたのか、よくわからない。

資料がないので、これは単なる憶測だが、この曲と古賀政男を熱狂的に迎えたのは、一世、日本側に立つ二世、帰米二世だったのだろう。しかし、日米開戦の後、この種のレコードはほとんどが廃棄処分されることになる。所有しているとスパイ扱いされるからだ。

「二世行進曲」は米国でのみ販売された「幻の古賀作品」であり、メルカ・レコードも今はない。だから、ほとんどの日本人はこの曲の存在を知らない。古賀政男の大全集のひとつにかろうじて収録されているのみである。熱心な古賀政男ファン以外には忘れられている。

戦前の大衆音楽には素人のブログ主なので、上記には誤解や曲解があると思う。ご意見ご訂正をいただければ嬉しい。

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コメント(2件)

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古賀政男の本でこの歌の存在は知っていましたが、初めて聴きました。貴重な音源ですね。
Hawkeye
2011/05/15 00:16
Hawkeye大尉殿

歌詞だけでも譜面だけでも音楽はわかりませんね。歌唱と演奏を聴いて初めてその時代を感じることができる。行進曲(マーチ)ですから曲調は明るく元気ですし、歌手たちもバンドも上手で、気持ちがこもっている。

男女の歌手が一世なのか二世なのか、たまたま滞米していた人なのかも不明ですが、この他のメルカ・レコードの録音にも参加しているので、一世か二世ではないかと想像しています。

歌詞は「日米友好」ですが、この曲が収容所で歌われたとは思えません。でも、これも、断定はできない。わからないことは山ほどあります。
asianimprov
2011/05/15 08:05

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